こんにちは、Lilyです。
今回は、私たち夫婦がオランダで暮らしていた際に、賃貸物件のオーナーから払いすぎていた家賃(約100万円)が返金されることになった件についてまとめました。
穏便に過ごしたいという方が多いと思うので、あくまで「こういうケースもある」という参考程度に読んでいただければ幸いです。
オランダの家探しは大変
オランダでは家探しが大変なことは、移住や留学を考えている方ならすでにご存じかと思います。需要に対しての供給が少ない状況でそこにつけ込んで家賃を不当に高く設定したり、不利な契約内容を押しつけられたりするケースもあり、日本での当たり前が通用しない場面が多くあります。
賃貸に関する法律は頻繁に変わりますが、オランダには借り手を保護するための制度が整っています。
例えば、私たちが引っ越した2024年にも7月1日から、借り手の居住の安定が以前より強く保護されるようになる法律ができました。このWet vaste huurcontractenにより原則住宅賃貸契約は 無期限契約が基本になりました。もちろん例外もありますが、借り手が守られるような法律は心強いです。
賃貸物件に関するトラブルを審査してくれる団体:Huurcommissie
上記のような背景から、オランダには Huurcommissie という、家賃やサービス費用、住宅の状態などに関するトラブルを審査してくれる団体が存在します。
※このHuurcommissieについては、こちらの政府のページにも記載があります。https://www.government.nl/topics/housing/rented-housing
私たちも当初は「このオランダでの状況では家賃が高いのは仕方ない」と思っていたのですが、実際に住み始めると家の状態がかなり悪く(カビが放置されている・設備が機能しないなど)、入居後に修理をお願いしてもオーナーに無視される状況が続き、夫が現地の友人に相談したところ、この団体の存在を知りました。
家賃が高すぎるのではないかと感じた場合は、まず Huurcommissie のサイトで Rent Check(自己査定)を行うことができます。部屋の広さや設備、状態などを入力すると、その物件の特徴に基づいてポイントが算出され、一般的な基準ではどの程度の家賃が妥当とされるかを確認できます(英語でも利用可能です)。
この自己査定はあくまで目安にすぎませんが、私たちの物件では、計算上「妥当とされる額」より実際の家賃が大きく上回っていることがわかりました。なんと約50パーセントも。オランダの住宅事情も考慮し多少の割高は許容範囲内でしたが、
- 入居時から、オーナーが水漏れ・カビ・故障などの問題に対応しなかったこと
- 自己査定で大きな差が確認できたこと
- 手続きに必要な言語(オランダ語/英語)に対応できたこと
などの理由から、最終的に正式な申請を行うことにしました。
申請後の流れ
申請を行うと、Huurcommissie の担当者が自宅に来て、部屋の広さを測ったり、写真を撮ったりしながら家の状態を確認し、なぜ現在の家賃が妥当でないのかを調査してくれます。この訪問には 25ユーロ(2024年時点) の費用が必要でした。調査後はポイント算出システムを用いて妥当な家賃が計算され、写真付きでロジックが丁寧に説明されたレポートが後日まとめられて共有されます。
ただし注意が必要なのは、申請をした段階でオーナー側にも通知がいくという点です。オーナーと揉めたくない場合は、Huurcommissie のサイトでできる 自己査定だけで終えておくのが良いと思います。
評価が出た後
レポートが完成すると、オーナー側にも同じ内容が共有されます。
私たちの場合は、自己査定の結果と同様に、約50%減額した金額が妥当な家賃であると判断されました。
その後、オーナー側にも反論の機会があり「なぜその結果が妥当ではないのか」を示す書類の提出が求められます。
また、この期間中にはオンラインでの 三者面談(Huurcommissie 担当者・オーナー・私たち) も行われました。この面談は、両者が与えられた時間内に事実のみを述べるシンプルなものでした。
最終的に
最終的にはオーナーの主張は却下され、Huurcommissie が提示した金額が正式に認められました。ただ、この結果に至るまでには、申請から約半年ほどかかりました。
もともと家の状態が良くなかったこともあり、私たちは1年ほどで別の家に移るつもりでいましたが、ちょうどその頃に国外へ引っ越すことも決まっていました。オーナー側からは「一括で返金するのは難しい」との申し出があったため、毎月返金を行う形で新たに合意書を交わし、元の不動産仲介業者にも入ってもらって、返金スケジュール(返金の時期・金額・完了予定日)を明確に書面化しました。
そのため、国外に住んでいる現在(2025年時点)でも、問題なく返金を受け続けています。
また、オランダでは退去時にデポジットが返ってこないという話もよく聞きますが、私たちの場合はこの一件が影響したのか、デポジットも減額されることなく全額返金されました。
この件に関して私たちが支払った費用は、最初に Huurcommissie に支払った25ユーロのみで、それ以外の追加費用はかかりませんでした。
私たちの申請タイミングが良かった
契約開始後わりと早い段階(私たちの場合は入居から約3〜4か月)に申請することができ、タイミングと運が良かったと思っています。一般的には、契約開始から6か月以内に申請しないと、初期家賃見直しのための申請ができないケースもあると言われているそうです。ですが、例外もあるそうなので詳細はHuurcommissieに確認することをおすすめします。
最後に
住居に関する法律まわりを徹底的に調べたことで、自信を持って行動できたのは大きかったと思います。
私たちのように家賃が 50% も上乗せされているケースはあまり多くないと思いますし、Huurcommissie に申し立てをしたからといって必ず返金につながるわけでもありません。
また、一筋縄ではいかないことが多く、覚悟をもって臨む必要があるため気軽におすすめできるものでもありません。ですが、本当に状況が悪い場合には、我慢しなくても Huurcommissie という団体が存在して助けてくれる可能性があるということと、実際に返金されるケースもあるということを、参考程度に知っていただければ嬉しいです。
何か質問やコメントがあればInstagramまでお願いします:)

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