オランダ移住そして現地での就職活動|英語だけで応募できる求人の実態と壁

オランダ就活 オランダ生活


こんにちは、Lilyです。

今日は、日本で会社員として約10年働いたあと、オランダ国籍の夫と一緒にオランダに移住。現地の会社への就職を目指して就活した体験をまとめてみました。その経験の中で感じたことや、実際に取り組んだことをまとめました。
これから挑戦する方のヒントになれば嬉しいです。

現地企業への就職活動は甘くない

私は日本での経験を活かしつつ、日系企業ではなく、オランダや多国籍の現地企業を中心に応募していました。特に、自分の業界はニッチな分野だったこともあり、もともと応募先の選択肢が限られていました。

前職が有名な外資系企業だったため、日本ではいわゆる「ブランド力」に助けられる場面も多くありましたが、オランダではその知名度や英語力が直接的な強みにはなりません。加えて、現地にコネクションがない状態では、そもそも書類を通過させるだけでも一苦労でした。日本と同じポジションからスタートするのはなかなか難しい、むしろ0からのスタートだと感じます。

経験があっても求人要件にぴったり合わなかったり、1からはじめたくて応募したエントリーレベルのポジションには「オーバースキル」と見なされたりと、マッチする求人を見つけるのは思った以上に難しかったです。

実際、私の知人にも英語とフランス語が堪能な人がいますが、オランダ語が話せなかったことなども影響して、就職先が見つかるまでに10か月かかったそうです。

書類で差をつけるには:CVとカバーレターの工夫

まずは書類選考を突破しなければ、面接のチャンスすら得られません。そのため、CV(履歴書)とカバーレターの作り込みには特に力を入れました。

具体的には:

  • ChatGPTなどのAIを使って、求人内容(Job Description)との一致度をチェック
  • 応募ごとにCVを最適化し、成果を数字で表現

また、面接に進んだ場合、日本的な「謙遜」はマイナスに働くことも多いです。自分の成果を正確に、自信を持って伝える姿勢が評価されます。

活用した求人サイトと就活ツール

主に使ったのは以下のツールです:

  • LinkedIn:英語のみで応募できる求人が豊富
  • Indeed:幅広い求人が掲載
  • Resume Worded:CVのスコア化&改善アドバイスが得られるツール

リクルーターに直接連絡も試みましたが、返信がないことも多かったです。
日本での転職活動との違いに驚かされました。 

英語力は「当たり前」、オランダ語の壁

日本では英語力が強みになりますが、海外では「できて当たり前」です。
私自身、英検1級・TOEIC985点を取得していますが、それだけで特別有利になることはありません。

さらに、英語のみで応募できる求人は思ったほど多くはなく(もちろん、まったくないわけではありませんが)、競争率も非常に高いです。
実際、「経験やスキルは問題ないが、業務はすべてオランダ語なので……」と言われ、面接を辞退せざるを得なかったこともありました。

一方で、オランダ語ができれば応募可能なポジションの幅は一気に広がります。
日常生活でも「英語は通じるけれど、誰もが英語を好んで使っているわけではない」と感じる場面が多く、「ここはやはりオランダなんだな」と実感することが多々あります。

※オランダ語の必要性については、別の記事でも紹介しています。 

求人の動きやすい時期を狙う

私が就職活動を始めたのは11月中旬。しかし年末年始はクリスマス休暇の影響で求人も企業からの返信も激減しました。逆に、1月以降は応募数も反応も増え、動きが活発になる傾向があります。

※7〜8月のバカンスシーズンも同様に求人が少なくなる傾向があるので、「連絡が来ない」「求人がない」と感じたら時期のせいかもしれません。

結果と文化のギャップ

私の就職活動は約3か月間で、応募したのは約40社。そのうち書類選考を通過したのは3社、最終面接まで進んだのは1社だけでした。

義理の家族から「オフィスジョブなら、100〜200社に応募するのが普通だよ」と聞かされ、文化の違いに大きな衝撃を受けました。オランダに来たほかの外国人の友人たちに就活の話を聞いても、みんな「100社くらい普通だよ」という感じで、特に驚いてる様子はなかったです。

また、エントリーポジションに応募することさえ簡単ではなく、これまでのキャリアの長さが、かえって「扱いづらい」と見なされる場面もあり、非常にもどかしく感じました。

給与と税金:理想と現実

確かに、パートタイムの時給や平均年収は日本より高い傾向がありますが、私に提示された給与は、日本で正社員として働いていた頃よりも低いものでした。比較的恵まれた環境にいたとは思いますが、生活費や税金が東京より高いオランダでの生活を考えると、個人的には「もう少し給与が高くてもよいのでは」と感じました。

また、高い所得税が差し引かれるため、手取り額はさらに少なくなります。求人情報を見ても、シニアポジション(管理職)であっても「非常に高い」とは感じられませんでした。オランダの物価が高いため、アメリカ並みの給与水準を期待していましたが、実際にはアメリカの給与が特別に高いだけだと知りました。

詳しい税率比較はこちら:
日本:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm
オランダ:https://business.gov.nl/amendment/income-tax-brackets-rates-change/ (2025年現在)

まとめ:何を大切にしたいかを見極める

オランダではパートタイム勤務や「週3勤務」など、柔軟な働き方が一般的です。家族との時間を大切にできる制度や補助金も整っており、ライフスタイルを重視する文化を強く感じました。

海外で働くには、自分が勝てる土俵を見つけて全力で挑む必要があります。その際、問われるのは「どんなキャリアを積みたいか」だけでなく、「どんな生き方をしたいか」ということです。私自身、就職活動を続ける選択肢もありましたが、夫とのこれからの暮らしを考えた結果、一旦活動を終える決断をしました。

理想と現実のどちらも無視せずに、自分にとって何を優先するかを見極めること。
オランダでの就職活動は、そんな本質的な問いと向き合うきっかけにもなりました。

Comments

Copied title and URL