0の状態から10か月でオランダ語B1レベル(中級)に一発合格した方法

オランダ語

※本記事は一部アフィリエイトリンクを使用しています。商品の選定や紹介は筆者の実体験に基づいています。

こんにちは、Lilyです。 

今回は私がオランダ国籍の夫とオランダに移住し、オランダ語0の状態から渡欧10か月でB1(国家試験 NT2 Programma 1)に合格した勉強法についてまとめてみました。

市民統合化試験の合格を目指している方やオランダ語を勉強している方の参考になれば嬉しいです。 

渡欧後、自分の市民化統合試験のレベルがB1だと知る

渡欧前から「市民統合化試験」の存在は知っていたものの、当初は正直、オランダ語にあまり興味がなく、参考書こそ買ったものの、モチベーションはゼロでした。「A2(初級)レベルなら、1年もあれば余裕だろう」と高をくくっていました。

ところが、オランダに入国後、オランダ国籍の配偶者がスポンサーとなる滞在許可証要件が、2022年からB1(中級)に引き上げられていたことを知りました。

ドイツ語学習を通して、A2からB1へのステップアップは、A1からA2以上に大変だということも体感的に分かっていましたし、私が住んでいた地域や就職活動の場面では、英語だけでは通用しないことが多く、オランダ語ができないと本当に苦労することも肌で感じました。

こうした現実に直面し、「3年以内にB2合格」という目標を自分の中で設定することにしました。

現実的な語学目標を中長期で設定し、逆算して一歩ずつ

最初から高すぎる目標を立ててしまうと、モチベーションを保つのが難しくなるものです。私が「3年以内にB2」という目標を設定したのは、市民統合化試験が「3年以内にB1取得」であること、そして英語やドイツ語の学習経験から、(仕事のことを考えれば早く習得したい気持ちはあるものの)自分のペースでは1年でB2に到達するのは難しいと分かっていたからです。

私自身の経験ではありますが、英語では英検2級から準1級(おおよそB2レベル)に合格するまでに3年近くかかりましたし、ドイツ語でもA2に合格するまでに約2年を要しました。オランダ語も英語やドイツ語と同じゲルマン語派に属していますが、新たな言語を習得するにはやはり相応の時間と努力が必要です。

ただ、現地で日常的にオランダ語に触れられる環境があるため、「頑張れば2年、余裕を見て3年でB2に到達できるだろう」と考えました。

とはいえ、語学の上達には明確な段階があり、とくにA2からB1、B1からB2への移行には大きなハードルがあります。実感としては、レベルが上がるごとに必要な学習時間は倍増していく印象です。そうした点も踏まえつつ、無理のない、しかし着実な学習計画を立てました。

  • A2到達まで:3〜4か月
  • B1到達まで:その後6〜8か月
  • B2到達まで:さらに最低でも1年-1年半

とスケジュールを立て、まずは1年以内にB1合格を最初の目標とすることにしました。

毎日触れることの大切さ

オランダに到着した翌週からオランダ語の勉強をはじめたのですが、嫌でもオランダ語に触れる環境にいたためか、吸収のしやすさを感じました。何度も見かける言葉の意味を調べ、覚え、毎日一つでも良いから何か表現や言葉を覚えることを意識して生活していました。

そして、まず役に立ったのが、日本から持ってきた参考書です。A2までの基本的なオランダ語の発音方法や文法はほぼほぼこの本で学べます。私はオランダ語のオンラインレッスンを独学を始めた1か月後から取るのですが、この本を一通り事前に勉強したおかげで、A2+のクラスに入れました。ただ、練習問題が非常に少なく語彙力をつけるのには物足りないので、あくまでもさらっとオランダ語の基礎を学ぶという感じです。
1つの章も短いので、1日1章ずつやっても3週間‐1か月もあれば一通り勉強できます。

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強制的に勉強をせざるを得ない環境づくり

独学が続けられる場合はそれが一番良いですが、私の場合は、なんでも強制されないとできないタイプです。
そのため、強制的に勉強をせざるを得ない環境づくりをしました。 
2024年7月から独学でオランダ語勉強を始めた後、8月から週2回、2.5hのオンラインコースを取り(途中休憩もはさみつつではありますが)A2+、B1、B1+と合計3ターム(合計6か月)取りました。
費用も20万円弱かかりましたが、私には必要な「投資」だったと思っています。また、学校とは別で地域のボランティアの方々が開講している無料のオランダ語クラスにも週1回参加していました。

ですが、これだけでは足りないので、もちろん学校外でも自分で予習や復習をする必要があります。

※オランダ語学校の探し方や無料の講座を受けた経験はまた別の記事にまとめたいと思います。 

文法を一通り勉強したらあとはひたすら語彙力強化!

文法を勉強すると文章の組み立て方がわかります。ただ文章を組み立てるのには語彙力が不可欠です
特にレベルが上がれば上がるほど、語彙力そして表現力の重要性が高くなります。同じ意味でも何通りも違う表現を知らなければ表現の幅が広がりません。 

細かいことは気にしない。よく目にする言葉を優先的に覚えていく。

とはいえ、現地のネイティブの小学生が知っているような語彙を、この段階ですべて覚える必要はないと思っています。

なぜなら、目標は「B1の試験に合格すること」だからです。大人になってから言語を学ぶ場合、ネイティブの子どもと同じスピードで語彙力をつけるのは現実的ではありません。

例えば、A1レベルでは動物の名前を学ぶことがありますが、「豹(luipaard)」のように日常生活でほとんど使わない単語まで無理に覚える必要はないと思っています。それよりも「牛(koe)」や「鳥(vogel)」など、日常でよく目にするものから覚えていけば十分です。

基礎が身につけば、あとから語彙はどんどん吸収しやすくなります。実際、私は練習問題や子ども向けニュースなどを通じて、10か月間毎日オランダ語に触れていましたが、「豹(luipaard)」という単語は一度も見かけませんでした(笑)。

大切なのは、最初から完璧を目指さないこと。完璧を目指しすぎて嫌になり、学習が進まなくなる……そんな負のループを作らないことが、無理なく続けるためのカギだと思います。

単語を覚える際は表現とセットで

単語帳を一生懸命眺めていても、いざ自分で使うとなるとなかなか使えません。
単語単体を覚えるのではなく、表現とセットで覚えると、話す時にも書く時にも役に立ちます。

毎日オランダ語を読む&聞く習慣作り 

やはり、語彙力を伸ばすには「読む量」を増やすことが大切だと実感しました。そして、発音が難しいオランダ語では、“音に慣れること”も非常に重要です。たくさんの文章に触れることで、読む力だけでなく、書く・話す・聞く力すべてに良い影響があります。

役所からの手紙でもレシートでも、とにかく毎日辞書を引きながらオランダ語に慣れることを徹底していました。ただ、こうした学習も「習慣化」しないとなかなか続きません。そこで私は、オランダの子ども向けニュースを寝る前に1〜2記事読む・聞くことを日課にしていました。さらに、自分でも声に出して記事を読んだり、聞こえたとおりに真似して発音するようにしていました。

また、練習を重ねるうちに、英語や日本語に訳さず「オランダ語のまま理解する」ことを意識するようになりました。この意識の切り替えも、上達の大きな助けになったと感じています。

※各セクションごとの具体的な対策方法は、別の記事で詳しくまとめたいと思います。

「独り言」が役に立つ 

たとえば、役所で手続きをしなければならないときや、電話で予約を取る必要があるときなどを想定し、オランダ語で会話をシミュレーションしてリハーサルしていました。できるだけ多くの場面を想定して練習するよう心がけていたのですが、これは勉強を始めてから比較的早い段階(1か月ほど)で取り入れました。

そして、学んだ表現は「恥を捨てて積極的に実践する」ことが何より大切です。

ありがたいことに、私が住んでいた地域は日常的にオランダ語が使われる環境だったため、実践する機会に恵まれていました。

最初は、変な表現を使ってしまってクスクス笑われたり(笑)、英語に切り替えられたりすることもありました。でも、練習を重ねるうちに発音や表現の幅が広がってきて、次第にオランダ語のまま最後まで対応してくれることが増えてきたのです。

それが一番嬉しかった瞬間でした。

特にこうしたシチュエーションでは、ある程度「決まった型」があるので、セリフのように覚えてしまうのがおすすめです。そうすることで表現のストックが蓄積され、やがて文法を意識しなくても自然と口から出てくるようになります。

この「表現の自動化」は、下記の本の中でも強調されており、私自身の実体験とも深く重なりました。語学習得において、これこそが最も重要なポイントだと感じています。

大人になってからの語学学習は、子どものように自然に身につくわけではありません。やはり、地道な努力の積み重ねが必要です。

この本には、大人になってから語学を学ぶうえでのヒントがたくさん詰まっていて、私にとって本当に心強い存在でした。語学学習に行き詰まりを感じている方、学び方に迷っている方にも、きっとヒントがあるはずです。ぜひ、一度読んでみてください。


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chatGPTなどのAIはめちゃくちゃ役に立つので活用すべし

「独り言」の練習や書く練習のときに、ChatGPTのようなAIは本当に役に立ちます。

最初から「これはなんて言うの?」と質問するのではなく、ある程度自分で文章を組み立てられるようになってきた段階で、「この表現で通じるかな?」と思ったものをまず書いてみる。そうすることで、自分の力で考えるクセが自然と身についていきます。

正直、自分でも「どうやって学生生活を送っていたのだろうか」と思うほど、AIのおかげで語学学習は格段に楽になったと感じています。アプリをスマホに入れておけば、思い立ったときにすぐ調べられますし、「○○翻訳」よりも精度も高くて便利です。

たとえば、道を渡るときに「そういえば、“道を渡りたい”ってなんて言うんだろう?」と思ったら、その場ですぐに調べます。そんなふうに、日常生活の中で好奇心を持ち続け、気になった表現はAIアプリを使ってすぐに覚えるようにしていました。

もちろん、たまに間違った返答が返ってくることもありますが、うまく活用すれば学習効率は本当に上がります。

本番に向けて“慣れ”を作る:1か月前に過去問を解きまくる

DUOのサイトに過去3回(各年度から1つずつ)分あるので、それをすべて一度解いて、合格ライン以上かを確認しました。毎回合格基準点は異なるそうですが、100パーセント理解できていなくても、すべて合格ライン以上であれば本番の試験も合格圏内と考えて良いと思います。
 
とにかく過去問題を通じて時間配分やパターンを確認することが重要です

言語学習は忍耐力と継続力。費やす時間が大事。

言語学習は終わりのないマラソンだと思ってます。

自分の生活にオランダ語を取り入れるようにしていたので、 実際何時間勉強したかははかっていないですが、
机に向かう時間は平日は最低3hくらいだったかと思います。

ちょうど1年前の夏、「Ik, jij, hij」からオランダ語の勉強を始めました。今では、夫と義兄の会話も8割~9割ほど理解できるようになり、「続けてきて本当によかった」と感じています。

もちろん、政治や経済の話を完璧に理解したりそれについて自分の意見を述べられるようになったりするには、まだまだ時間がかかりますし、最終目標はC1なので、そこまで行けるようになるには、これからも何年も何十年もじっくり学び続ける必要があります。

言語を学ぶことは誰かとの競争ではなく、あくまで自分の人生を豊かにするためのもの。結局は自分との闘いです。私のように学校の勉強が苦手でも、「やりたい」という気持ちと、忍耐力と継続力、そして少しずつ感覚を磨いていけば、ちゃんと身についていくと感じています。

小さな目標を一つひとつ達成することで、それがやがて自分の実力となり、自信にもつながっていきます。

私はB1試験に合格した後、オランダを離れ、今はオランダ語を一切使わない南アフリカで暮らしています。
それでも私はB2合格を目指して、これからも学び続けていくつもりです。 

最後に。
日本では特に、オランダ語はまだまだマイナーな言語です。だからこそ、本を通じて「翻訳や通訳などの分野でニーズがある」ことを知り、今はオランダに住んでいなくても、学んでいる言語に将来性があると感じられただけで、学習のモチベーションが大きく高まりました。一緒にオランダ語の勉強をがんばりましょう! 

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