オランダの医療・歯科制度‐予約が◯◯週間待ち!?

オランダ生活

こんにちは、Lilyです。

今回は、日本とは大きく異なるオランダの医療制度やホームドクター(GP)の探し方、そして実際に私が体験したことについてまとめてみました。あくまでも私個人の経験や感じたことの一部に過ぎませんが、これからオランダに住む方や、現地の医療事情が気になる方の参考になれば嬉しいです。

オランダは「ホームドクター制」

日本では「皮膚科に行きたいな」と思えば、直接専門の病院に行くことができますが、オランダでは「ホームドクター制(GP制度)」で、専門医にかかるにはそのGP(General Practitioner)の紹介状が必須です。

この仕組み、個人的には不便でした。
というのも、自分で「これは○○科だな」と判断できても、まずはGPの予約 → そこで紹介状をもらってから専門医へという流れを踏む必要があるからです。しかもそのGPの予約もすぐには取れないことが多く、軽い風邪やちょっとした不調では、病院に行かないのがオランダ流なのです。

日本にいた頃、美容オタクだった私は、顔にしこりニキビができようものならすぐに皮膚科に行って、薬を処方してもらっていました。ですが、オランダではそれができず、治るまでただ待つしかないというのが、正直ストレスでした。

ホームドクターの決め方

オランダでホームドクターを探す流れは以下の通りです:

  1. 住民登録(BSN番号の取得)
  2. 健康保険(zorgverzekering)への加入 
  3. ホームドクター(GP)を探して登録

私は保険証を手に入れた後、Google Mapsで自宅近くのクリニックを検索し、レビューを参考にしながら候補を絞り込みました。

※オランダの健康保険の仕組みや選び方については、また別の記事で詳しくまとめたいと思います。

注意点

⚠ 注意点①:必ず受け入れられるとは限らない

GPは新規患者の受け入れ人数を制限している場合もあり、申し込んでも断られることがあります
実際、私は2か所で「新規受付はしてない」と断られ、3か所目でようやく受け入れてもらえました。

⚠ 注意点②:保険会社と提携していないと保険が効かない

登録前に、そのクリニックが自分の保険会社と提携しているかを確認するのも重要です。
提携外の医療機関だと、保険が効かず、費用が全額自己負担になってしまう可能性があります

歯医者の決め方

歯医者もGPと同じく、自分で探して申し込む必要があります。
私の場合は、申し込みフォームに「登録しているGPの情報」を記入する欄があったため、先にGPを登録してから歯医者を探す流れになりました。

オランダの医者と「パラセタモル」文化 

オランダではよほど重症でない限り、病院に行かないのが一般的です。
仮に病院に行けたとしても、処方されるのはたいてい「パラセタモル(paracetamol)」という解熱鎮痛薬です。
抗生物質などは、簡単には出してもらえません。

私も昨年、コロナのような症状で高熱が続き、早く診てもらいたいと思ってGPに連絡したところ、最短の予約日は3週間後でした。

夫(オランダ在住25年)からは「行ってもどうせパラセタモルを渡されるだけだよ」と言われ、スーパーで市販のパラセタモルを購入し2週間、自力で耐えました。最終的に自然に治ったとはいえ、2週間ほど何もできず「日本だったらすぐに診てもらえて、すぐ効く薬をもらえたのに」と、もどかしさを感じました。 

歯のクリーニングと歯科事情

オランダに来てからBSNナンバーを取得するまでに約5か月かかり、その間は歯医者にかかれず、日本で最後に歯のクリーニングをしてから半年以上が経過していました。

歯医者もGP同様、予約が必須です。
やっと歯医者に行けたものの、初回は「歯のチェックとレントゲン撮影」のみ。期待していたクリーニングは「歯が十分きれいなので不要」とのことで受けられず…。20分ほどの診察と撮影で100ユーロ(約16,000円)かかりましたが、オプションで加入していた歯科保険のおかげで3割負担ですみました。

オランダでは基本の健康保険には歯科治療は含まれておらず、保険加入時に追加オプションとして加入する必要があります私は不安だったので歯科保険付きにしておいて正解だったと思いました。

夫は後日クリーニングのみ受けましたが、それでも75ユーロ(約12,000円)。オプション保険に入っていたので全額カバーされましたが、やはり高額です。 

歯が欠けたまま3週間...

歯医者もGP同様でなかなか予約が取れない場合もあります。
今年、夕食中に前歯が少し欠けてしまったので、すぐに歯医者へ連絡したのですが返ってきた返事は
「最短予約可能日は3週間後」

幸い小さな欠けだったので大事には至りませんでしたが、3週間も前歯が欠けた状態で過ごすのはなかなかストレスでした。日本では多くの歯科医院が当日~翌日対応してくれるので、改めてそのありがたみを感じました。

※緊急対応の歯科クリニックもありますが、保険が一切効かず、かなり高額になるため、よほどの事情がない限り利用しない人が多いそうです。

まとめ

  • GP(ホームドクター)制度が基本
    ⁻専門医にかかるには、まずGPの紹介が必要。すぐに診てもらえるとは限らず、予約待ちが当たり前。
  • 医療機関も歯科も「空きがなければ診てもらえない」
    ‐私自身もGPや歯科で数週間待ちを経験。日本のような柔軟な対応とは大きく違う。
  • 保険の適用範囲を事前に要確認
    ‐保険会社と提携していない医療機関では全額自己負担になることも。歯科治療には別途保険加入が必要。
  • 基本は“自然治癒+パラセタモル”
    ‐風邪や発熱程度では抗生物質は出ず、市販薬で様子を見るのが一般的。日本とのギャップを感じる場面も。

私個人としては、オランダでの生活を通じて、国民健康保険のもとでスムーズに受診できる日本の医療のありがたさを、改めて実感しました。そして、海外移住を考えている方に強くおすすめしたいのは、渡欧前に日本でしっかり治療などを済ませておくことです!!

コメントやご質問などありましたら、Instagram(@5ftraveler)までご連絡ください。

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